2024-05-21
不動産売却をすると、年金の支給額が減額されるのかと心配されている方もおられるのではないでしょうか。
たとえ不動産売却でまとまった資金を得られても、支給額が減ってしまえば将来の生活の不安を感じてしまいます。
そこで、年金受給者が不動産売却したら支給額は減額されるのか、売却時に発生する税金と注意点についても解説します。
周南市、下松市、光市で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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年金受給者が不動産を売却すると、支給額が減るといった噂を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際は不動産を売却したからといって支給額が減額されるようなことはありません。
では、なぜそのように勘違いされてしまうのでしょうか。
ここでは、年金の仕組みについて見ていきましょう。
年金には、大きくわけて「厚生年金」と「国民年金」の2種類があります。
厚生年金とは、会社に勤めている方が加入している年金で、国民年金とは、個人事業主や自営業の方が加入している年金です。
ただし、厳密にいえば、国民年金については20~60歳の国民に加入が義務付けられているため、厚生年金の方も加入していることになります。
厚生年金加入者が受け取れる年金は「老齢厚生年金」と呼び、国民年金加入者が受け取る年金は「老齢基礎年金」と呼びます。
そのため、厚生年金加入者と国民年金加入者が受給できる年金は、以下のとおりです。
60歳以上で老齢厚生年金を受給されている方が、働くために厚生年金に加入した場合は「在職老齢年金」を受給できる場合があります。
ただし在職老齢年金は、給与や賞与の金額に応じて、年金の一部もしくは全額が減額、支給停止となることがあるのです。
つまり、収入があるのなら、年金を減額しても問題ないだろうと判断されるわけです。
そして、この仕組みが、不動産売却により年金額が減額されると誤解を生む原因となっている可能性の1つといえます。
しかし、年金減額の対象は、あくまでも給与などの労働所得であるため、不動産売却で利益が出たからといって年金額に影響を与えることはありません。
年金のなかでも「障害年金」を受け取っている方は注意が必要になります。
障害年金とは、病気やケガなどによって収入が減少した際に支給される年金です。
この障害年金を受け取りながら不動産売却により収入を得ると、減額される可能性があります。
障害年金は、本人が保険料を納めていないため、収入により一定の所得を超えた場合は、減額対象となってしまうのです。
ただし、いずれにしても老後に支給される老齢年金には影響がないため、不動産売却しても通常の年金は減らないということになります。
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不動産の売却益とは?計算方法と節税効果のある特例について解説
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年金受給者が不動産売却した際は、前述したように年金の支給額は減額されませんが、不動産売却にかかる税金については課税対象となるため注意しましょう。
ここでは、不動産売却時にかかる税金について解説します。
不動産売却で利益が発生した際は、その利益に対して「譲渡所得税」がかかります。
譲渡所得税とは、正式には所得税・住民税・復興特別所得税のことで、利益に応じてそれぞれが課税される仕組みです。
ここでいう利益とは、売却価格そのものの金額を指すのではなく、以下の計算式で算出します。
譲渡所得(利益)=売却価格-取得費-譲渡費用
取得費とは、不動産を購入する際にかかった費用のことであり、購入代金や仲介手数料、印紙代などが該当します。
譲渡費用とは、不動産を売却する際にかかった費用で、仲介手数料や測量費、印紙代などです。
取得費や譲渡費用を売却価格から差し引いて、それでも譲渡所得がプラスとなる場合は譲渡所得税が課せられます。
譲渡所得税は、以下の計算式で算出されます。
譲渡所得税=譲渡所得×税率
税率は、不動産の所有期間によって異なり、5年以下の場合であれば「39.63%」、5年超えの場合は「20.315%」となります。
譲渡所得がプラスとなった場合は、年金受給者であろうが確定申告が必要になります。
確定申告の期間は、不動産売却した翌年の2月16日から3月15日までです。
申告期限までに確定申告をおこなわなかった場合は、延滞税などが発生する可能性があるため注意が必要です。
なお、不動産売却ではマイホームを売却した際に利用できる「3,000万円の特別控除」の適用を受けることができます。
この特別控除は、譲渡所得から最大で3,000万円を差し引くことができる控除です。
ただし、この控除適用後に譲渡所得がマイナスもしくはゼロとなった場合でも、確定申告は必要なため忘れずにおこないましょう。
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最後に、年金受給者が不動産売却する際の注意点を解説します。
不動産売却後に慌てないためにも、注意点はしっかり把握しておくと安心でしょう。
とくに注意すべき点は以下の3つです。
それぞれの注意点についてご説明します。
前述したように、不動産売却時に利益が発生すれば譲渡所得税がかかります。
年金額には影響はないものの、年金受給者だからといって税金は免除されません。
また、利益が生じると翌年の住民税が上がる可能性があるため注意しましょう。
75歳以上の後期高齢者が売却する場合は、翌年の保険料が値上がりする可能性があるため注意が必要です。
国民健康保険料は、前年度の所得をもとに決定されます。
不動産売却で年金額が減ったと勘違いする理由は、実はここにも原因はあるのです。
あくまでも受給額が減っているのではなく、保険料が増えており手元に残る年金が減っている可能性があります。
また、国民健康保険料のほかに介護保険の負担が増えることもあるため注意しなければなりません。
介護保険は、所得が増えるとその負担割合が大きくなります。
基本的には、1割負担が多いですが、合計所得が220万円を超えると最大で3割まで上がるため注意しましょう。
不動産売却後の生活設計もしっかり立てておくことが重要です。
新居はどうするのか、引っ越しにかかる費用の捻出はどこからするのかなどを考えておく必要があります。
また、売却で得た資金をどのように運用していくのかなど、資金計画を立てておくと安心でしょう。
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住みながらマンション売却をするメリットや売却を成功させるコツをご紹介
年金受給者が不動産売却をしても、支給額が減額されるなど通常の年金に影響を与えることはないでしょう。
ただし、年金受給者でも不動産売却して利益が生じれば、その利益に対して所得税や住民税などの税金がかかるため注意が必要です。
また、不動産売却で利益が出れば、売却した翌年に自ら確定申告をおこなう必要があることも覚えておきましょう。
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